奈良県の温泉街でプチ移住体験!?「奥大和トライアルステイ2017」(前編)

これまで奈良の魅力についてお伝えしてきた今回の奈良特集ですが、最後は「移住」をテーマにご紹介していきたいと思います。


昨今、移動コストが下がり、移動時間もどんどん短くなっていることから、旅行が手軽なものとなり、その延長線上に都市と田舎を行き来する「二拠点生活」や、都心を離れ田舎への「移住」を考える人たちが年々増えていると聞きます。




筆者である私自身も現在京都と東京、湘南を拠点に二拠点ならぬ多拠点生活を行なっているのですが、ないものねだりが常である私にとって、都心部の生活と自然と歴史が感じられる生活の両方を味わえるのは何よりの贅沢だと感じています。


しかしながら、「二拠点生活」や「移住」については、今の現実の生活と照らし合わせるとなかなかその一歩を踏み出せないという方が大半だということも承知しています。ましてや、一部の限られた人間だけが得られるライフスタイルという固定観念も強く、移住したは良いものの、その地域に馴染めるのか不安という声も多く耳にします。


そこで今回ご紹介するのは、実際に移住する前にお試し移住体験ができるという「奥大和トライアルステイ2017」についてです。こちらは昨年より始まった奈良県奥大和移住・交流推進室が企画する取組です。




お試しとはいえ、実際にその地に滞在するとなると、「生活費などはどうなるの!?」と心配に思う方もいらっしゃるかと思いますが、奈良県で企画するトライアルステイはなんと仕事付きの移住体験!トライアルステイ期間中は旅館に住み込みで仕事を体験し、その分の謝礼を受け取ることができます。しかも、旅館では住み込みでの滞在となるため、家賃や食事も気にしなくて大丈夫です。


今回はその奥大和トライアルステイの舞台となる天川村を取材訪問し、県外からの移住者の方にお話を伺ったり、実際に旅館のある洞川温泉地域の方にもお話を伺ってきたので、是非ご覧ください。


昔ながらの風景が今もなお残る「洞川温泉街」の魅力

洞川温泉街は集落の中を女人禁制の修験の山であった大峯山への参道が通っており、現在でも修験者や参詣者で賑わう場所となっています。洞川温泉の特徴は、修験者や参詣者が旅支度をし易くするために、多くの旅館に縁側が付いていること。また、夜になると、温泉街のメイン通り全体に灯る提灯の画が何とも幻想的で、有名な日本アニメ映画の世界観を彷彿させる景色の中を散策することができます。




今回は特別に洞川温泉観光協会メディア部部長の増谷英樹さんにお話を伺いながら、洞川温泉街を案内していただいたので、増谷さんのお話を交えながらご紹介していきたいと思います。



↑大峯山洞川温泉観光協会 メディア部 部長 増谷 英樹さん


洞川温泉の魅力は人々のおもてなしの心にあり

ー本日はよろしくお願いします!まず初めに洞川温泉とは一体どのような場所なのでしょうか


増谷さん:洞川温泉は奈良県、さらには関西圏でも数少ない避暑地として知られています。標高820m余りの高地に位置する山里で、夏でも朝晩はクーラーがいらないため、これからの季節は大変過ごしやすい絶好のシーズンを迎えます。見ての通り、これだけの大自然が広がっているため、言うまでもなく空気がとても澄んでいて、ゆったりとした時の流れの中でリラックスした時間を過ごすことができます。


ー関西の軽井沢とも呼ばれているそうですね




増谷さん:そうなんです。また、水がとても綺麗で名水100選にも選ばれている地域でもあります。商品化までしている「ごろごろ水」は鍾乳洞付近から50年〜100年を掛けて出てくる湧き水で、普通の川の水と比べた実験がとても興味深いのでご紹介したいと思います。




川の水と「ごろごろ水」にそれぞれ鉄クリップを入れて、時間経過と共に起こる変化の様子を確認する実験です。左は川・谷の水なのですが、水が真っ黒になっているのが確認できると思います。これは鉄が錆び、酸化して水に溶けている様子です。一方、「ごろごろ水」の方を確認すると、水が透明で鉄クリップが沈んでいるのがはっきり確認できるかと思います。8年前に開始した実験ですが、「ごろごろ水」の方は未だに鉄が酸化せず、そのままの状態を保持しています。一目瞭然ですよね。




ーすごいですね。水って地域や場所によって違いはあるとは言えど、こんなにも違いの「差」があるものだとは思いませんでした。


増谷さん:人間の体は約70%が水でできていると言いますよね。なので、持論ではありますが、日頃からミネラル豊富で綺麗な水を体内に取り入れていれば、健康でいられると思うんです。実際、ここ十数年で体を壊した記憶はありません。


ー何だかものすごく説得力があります笑 ただ、自然に囲まれた温泉街というのは他の地域にもあると思うのですが、洞川温泉を特徴付ける他の温泉街との決定的な違いとは何だと思いますか?


増谷さん:洞川温泉の魅力は何と言っても、地域住民のおもてなしの心にあると思っています。例えば、通りで立ち止まり地図を広げている人がいれば、間違いなく声を掛けます。こないだは、観光客の方で「ここは親切な人が多いな」と言いながら、車に乗る人もいたりして、とても嬉しく感じたのを覚えています。天川村はもともと宿場町として発展してきた歴史があるので、もしかしたら地域住民の中におもてなしの心や魂というのが生まれた時から宿っているのかもしれません。




ー確かに温泉街の通りを歩いていても、笑顔で挨拶をしてくれる方が多いような気がします。それと、通りを歩いていて思ったのが、若い人が意外と多い!


増谷さん:そうなんですよ。特に若い子に限定したPRとかはしていないんですけどね。


ーそうなんですか!温泉街というと、若者よりも中高年の方が多いイメージなんですが。。


増谷さん:最近は取材依頼も多く、メディアのおかげでもあると思うのですが、若者が多く訪れる理由については定かではありません。でも、中には年に5回も足を運んでくれる子もいて、ここを訪れて顔を合わせると「ただいま」と声を掛けてくれるんですよ。だから僕も「おかえり」と返すのですが、洞川温泉特有のアットホーム感も良いと感じていただいている理由の一つなのかもしれません。


洞川は人間に必要なものが凝縮された場所

ーゲストハウスならまだしも、旅館がメインの温泉街で人との交流や人の温かさを感じられる場所はなかなかない気がします。


増谷さん:なかなかないと思いますよ。我々も今回奈良県からトライアルステイのお話をいただいて、ほとんどの旅館が受け入れを歓迎してくれました。


ー実際にGWのトライアルステイに参加した人から話を聞きましたが、宿の方がとても快く自分たちを受け入れてくれて、宿の人たちとの交流が楽しかったと仰っていました。


増谷さん:それは嬉しいですね。山々に囲まれた大自然といい、澄んだ空気、綺麗な水、そして、人の温かさ。どれも本来人間に必要なものであり、洞川はその人間に必要なものが凝縮された場所だと思うんです。だからこそ、たくさんの人がこの場所を訪れて、忘れていた何かを取り戻して欲しいですね。




ー人間に必要なものが凝縮された場所。深いですね。本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございます!

 

増谷さん:せっかくいらっしゃったので、これから洞川温泉の観光スポットを案内しますから、付いて来てください!


ということで、インタビュー後、洞川の観光スポットを案内していただきました。


面不動モノレール「どろっこ」で行く「面不動鍾乳洞」・1000年以上の歴史を誇るお寺「龍泉寺」

洞川温泉街から徒歩で行ける距離に鍾乳洞があります。関西では最大クラスの規模を誇るそうで、長い年月を掛けて形成された自然のオブジェが美しくも神秘的な景色を映し出します。早速、増谷さんの案内のもと、鍾乳洞へ向かうことに。




こちらが鍾乳洞の入口となります。鍾乳洞までは坂道が続き、険しい山道を登らなければ辿り着けないのかと思っていたのですが。




なんと、木々の間を縫う様に設置された面不動モノレールその名も「どろっこ」で一気に鍾乳洞まで急傾斜を突き進んで行きます。




休日となると、多くの人が足を運び、子供達にも人気のアトラクションとなっているそうです。




終盤はモノレールから山々に囲まれた洞川温泉街の眺望を楽しむこともできます。




こちらが鍾乳洞の様子。長い歳月を経て形成された鍾乳石が、ライトアップされた光に照らされ、幻想的な空間を織りなしています。また、洞内は年間を通して、約10℃くらいなのだそうです。なので、夏に行けば涼しく感じられると思います。




こちらは銀糸の窟と呼ばれ、まるでストローのような形状に細長く伸びる鍾乳石が見られるのは全国でも稀だそうです。




鍾乳洞のあとは、白鳳年間(645〜710年)からの歴史がある真言宗醍醐派大本山である大峯山「龍泉寺」を案内いただきました。こんこんと水が湧き出る龍泉寺内にある池は水行場としても名高く、修行者の身心を清める第一の行場ともなっているそうです。


今回は鍾乳洞と由緒あるお寺「龍泉寺」をご案内いただきましたが、洞川温泉街周辺には、他にも様々な観光スポットがあります。


そして、いよいよ奈良特集最後となる次回の記事内では、移住者の方のインタビューとトライアルステイ経験者の体験談を交え、トライアルステイの概要を詳しくお伝えします。


乞うご期待!

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出身/宮城県 在住地/京都府
ライター。宮城で生まれ育ち、大学から東京へ上京し、海外での滞在を経て、今現在は京都で事業を行なっています。「泊まる〜暮らす」の導線づくりをしています。
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