【第7回】理想の滞在のススメ〜金魚家〜

織物産業で栄えた伝統ある職人の街


京都を見渡すと、特にお祭りの日でなくとも、着物や浴衣を着た観光客が街中で目立ちます。実際に普段の私服で街を歩くよりも、着物を着て歩いた方が京都の雰囲気を味わえますし、和装を着る機会が少ない方は、いっそう旅を特別な気分にしてくれます。


そんな着物を始めとする織物ですが、中でも京都で有名なのが西陣織です。京都の織物の中で、代表格を担うのが西陣織ですが、起源をさかのぼると豪族の秦氏が5〜6Cの古墳時代に技術をもたらしたと言われており、平安時代には宮廷を中心に栄えました。当時は「織部司(おりべのつかさ)という織物を管轄する役所もあったくらいです。


西陣という名は京都で応仁の乱(1467~1477年)があった際に、西軍の総大将、山名宗全が「西陣」をはり、その後戦乱で 離れていた織物師が戻って来てその一帯で織物業を開始したことから「西陣織」というそうで す。


今でも高度な技術と、美しい織文様は世界的にも高い評価を受けています。 そんな伝統が残る西陣地区の中に、可愛らしい金魚をモチーフにした素敵な宿がありました。


今回はゲストハウス「金魚家」のオーナーである野村 剛さんにゲストハウスの魅力と、西陣エリ アのオススメスポットについてお話を伺いました。

それでは野村さん、宜しくお願いします! 


第二の故郷と思ってもらえるような宿づくり

(出典:シェアチケット)

野村さん:ゲストハウスのコンセプトはおじいちゃん、おばあちゃん家のようないつでも気軽に帰ってこられる、第二の故郷に。そんな思い出で運営を開始しました。 


(出典:シェアチケット)

お客様との繋がりもそうですが、気負わずに「行ってらっしゃい。ただいま。」と迎えられる宿でいられればと思っています。


(出典:シェアチケット)

もともと8年前は東京で普通のサラリーマンをしていたのですが、私の地元が京都で、妻が奈良出身ということもあり、ゆくゆくは関西に戻りたいな、と考えていました。地元に帰って、夫婦一緒に働くとなると何ができるのだろうと考えたの時に、宿運営はどうだろうと考え始めたのがゲストハウス運営のきっかけです。


いざ、宿運営を始めようと思い立ったものの、初めはホテル、旅館くらいしか知らなかったのですが、調べていくうちにお互いやりたいことがゲストハウスに近かったことと、実際にお客さんと触れ合い、交流できる場があるゲストハウスに惹かれて行きました。そんな最中、和楽庵という京都のゲストハウスに出会い、そこが自分のやりたいと思う宿の形態に近いのではないかと思い、妻がその和楽庵で働くことになり、 私は他の旅館で働くことになりました。


お互いが別々の宿で働きながらも、いつかは自分たちで宿運営がしたいと思っており、ワクワクするような町家を探していました。ただ、京都観光の定番となっている京都駅や東山付近ではなかなか良い場所が見つからず、最終的には今の金魚屋の建物を住居専用から簡易宿所が運営できる用途へ用途変更を行い、紆余曲折を経てゲストハウスとして開業することができました。


”金魚家”の名前の由来

(出典:シェアチケット)

運営当初は明確なコンセプトというのはなかったのですが、お客さんにとって愛着が湧くようなイメージになればなぁと思い、金魚家という名前にしました。他にも動物の名前を色々考えたのですが、もともと金魚くらいしかペットを飼ったことがなかったので、、、(笑) 


(出典:シェアチケット)

そんな金魚家という名前にちなんで、宿の中にはたくさんの金魚をモチーフにした雑貨が置かれています。


(出典:シェアチケット)

こんなところにも!と、金魚の雑貨を探してみるのも面白いかと思います。 


(出典:シェアチケット)

宿に置いてある金魚の置物なども最初は自分たちで揃えていましたが、「今日街を歩いていて、たまたま金魚のものを見つけたから!」 と、最近はお客さんのご好意で頂いた金魚をモチーフにした雑貨が金魚家を彩っています。


(出典:シェアチケット)

宿のこだわり&運営のきっかけ

(出典:シェアチケット)

町家でやろうと決めていたので、国内、海外のお客さんが半々になれば、ゲストハウスとして交流も生まれて良いのかな、と思いました。また、京町家を多くの人に見てもらい、その暮らしを体験してもらうことで、年々減少を続けている町家の保全活動につながればという思いもあります。

そのため、建物の手入れもなるべくその当時の状態を保ち続けられるような形で手を加えています。建物は、昭和元年に改修された記録が残っており、だいたい築120〜130年弱くらいの建物になります。


(出典:シェアチケット)

また、この建物は宿を始める前は、お坊さんの袈裟を作られていた西陣織のお店でした。入り口や玄関の扉の「丹」という文字が見受けられると思いますが、これは当時の織屋さんの紋でして、ここの大家さんとは200年間はこの紋を守っていくという約束をしています。宿としては町家を感じていただくために、仕切りや襖をそのままの状態で残しています。人の足音であったり、人の気配を感じながら、まるでその当時の家で暮らしているかのような体験ができるかと思います。


(出典:シェアチケット)

京都の町家はよく、冬は寒い、夏は暑い。と言われ、現代の住環境と比較したら、決して便利とは言えませんが、その当時を暮らしを味わい、その不便さをも楽しんでいただければと思います。



旅館で働いていた経験を活かして、当宿では朝食を出しているのもこだわりの1つです。以前は朝ごはんが食べられるところが周辺で限られていることもあり、観光に来られる方が万全な状態で出発 していただけるように提供しています。

❇朝食料金は700円。最大8名まで一緒に食べることができます。


ゲストハウス滞在時の理想の過ごし方

(西陣街並み 出典:mikamikenishijin1.jpg ) 

京都の過ごし方として、自転車や徒歩で地元のお店をまわるのも楽しいと思います。特に宿周辺は昔からの職人さんのいるお店や西陣織のお店があるので、昼間でしたら機織の音が聞こえてきます。 


(大徳寺 出典:src_11213605.jpg)

比較的、人通りも少ないので近くにある大徳寺をゆっくり観光した後に、鞍馬通りで好きなご飯

屋さんを見つけて、船岡温泉のような地元の銭湯でゆっくりされるのもアリだと思います。 


(本法寺 出典:DN4J_LGVAAA8QxU.jpg:large)

堀川通りには本法寺、妙覚寺、妙顕寺といったお寺の建物やお庭が綺麗なので、比較的観光客もまだ少ない場所ではあるので、ゆったりと京都観光を楽しみたいという方にはオススメです。

❇昨年から上記3つのお寺ではライトアップがありました。期間は2017年は11月3(火)~11月26( 日)までですので、次のライトアップは来年になりますが、散歩がてらにいくのもアリだと思いま す。 


(出典:IMG_2996.jpg ) 

夜は立ち飲み屋の「あてや」さんが価格も安くて美味しいです。英語も話ますし、このお店を始める前に3、4年一緒に働いていたスタッフが独立して作ったお店なので、僕の知り合いのゲストハウスのスタッフもよく訪れているんですよ。レモンの輪切りがたくさん入っていて、中だけでお代わりできる鬼レモンサワー(150円)はこのお店ならではのドリンクメニューなので、お店に足を運んだ際は是非お試しあれ。


金魚屋オーナー野村さんが提案するモデルプラン

【西陣周辺満喫プラン】ゲストハウス金魚屋→大徳寺→船岡温泉→本法寺→あてや


私が思う京都の魅力

(出典:シェアチケット)

京都の魅力は居心地の良さかなぁと思います。人の温かさもそうですし、京都のちょっとした冷たさを感じる部分も面白いです。


京都の方は言ってることと思ってることが違う。とよく言われますが、僕はそういったところも含めて京都が好きで、そんな人たちに認められるようになりたいなぁと、逆に励みになったりもします。また、 そういった人たちのおかげで何百年も職人さんが育てられたり、伝統が守られてきたのだとも思います。


そんな人の表裏があるところは面白いです。人に何を言われても捉え方次第でもありますし、やはり人が 一番面白いと思ってこのゲストハウスを始めたこともあるので。そしてお客様だけでなく、一緒に働いているスタッフも僕たちの宿を巣立った後、どのような道を歩んでいくのかを見届けたいです。せっかくの出会いや縁だと思うので、家族とまではいかないかもしれませんが、何でも言い合える仲になりたいと思っています。


地域においても、今でも毎日お地蔵さんのお掃除やお花をお供えしている人たちがいることや、また他の地域ではもはや全く聞かないという声もある「火の用心」という掛け声。そういった昔からの伝統を交代制で町内ベースでされている地域も京都では多く、いいことも悪いことも同じように分配して町内や地域で分け合おうとしています。辞めるのは簡単ですが、ずーっと続けることは並大抵のことではありません。そういった伝統を現代においても守り続けてきたことも京都の良さの1つじゃないかなと思います。

 

【MAP】


いかがだったでしょうか?昔ながらの町家暮らしを体験でき、ところどころに彩り豊かな金魚の置物や雑貨が光るゲストハウス金魚家さん。今回もたくさんの発見と京都の魅力が散りばめられていたと思います。京都旅行の際には、是非参考にしてみてください。


ゲストハウス金魚家のオーナー野村さん、今回はありがとうございました!


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シェアチケットマガジン編集部 「理想の滞在のススメ〜オーナーに聞いてみた、京都の魅力シリーズ」を配信中!!

・京都にある素敵な名店
・観光客が誰も知らない隠れたお寺
・京都の人でもなかなか知らない歴史 などなど

普段生活しているだけでは気づかないことが沢山あります。

その京都の魅力を地域に一番詳しいと言っても過言ではない
ゲストハウスのオーナーさんに教えてもらいます!

もしかしたら、この記事を読めば普段とは違う京都に出会えるかも。

また、ただ宿に泊まるだけじゃもったいない。

一棟貸し宿、ゲストハウスにはオーナーさんの想いが沢山、詰まっています‼︎

宿の特徴、こだわり、どういった風にお客様に喜んでいただけるなど、小さいものだと意識しないと気づかないかもしれません。

宿の想いを知っていただくことで、ゲスト様が
少しでも宿を身近に感じ、安心して、宿泊を楽しんでもらえれば嬉しいです。

そんな宿とゲスト様の距離を近づけれるような記事をご紹介できればと思います。


もし京都のお店や観光などで気になることがありましたら、なんでもご相談ください^^

思い出に残る、素敵な旅をご提供します。

Hikaru Watanabe

#京都 # share ticket # share trip
コメント
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2018-02-06 17:11:43
金魚屋・鯉屋どちらも素晴らしかった!
2018-02-06 19:26:01
お部屋全体に金魚の雑貨がたくさんありましたね!!鯉屋さんのお庭も圧巻でした!!