【第9回】理想の滞在のススメ ~kumagusuku~

京都とは?と言われると多くの人はお寺や神社、歴史など「古いもの」に目を向けられることが多いですが、実は流行や新しいもの。特に現代美術にとっても重要な土地になっています。


美術館の数も日本でトップ10にランクインし、芸術大学の数も東京に次いで全国で2番目に多い地域となっています。それはもともと、京都自体が新しいものをどんどん取り入れてきたのも理由の1つかもしれません。


歴史を辿ると、平安時代の貴族が感情や想いを和歌として詠み、江戸時代には浮世絵師が、時代の最先端を風物として表現するなど「今」を表現するような芸術や文化が色濃く残っています。


そんな芸術の都として栄えている京都でも、ただ旅行しているだけは、なかなか芸術などのアートに触れる機会に出会うこともないかもしれません。しかし、作品に触れることで感性が磨かれるだけではなく、その土地の芸術に触れることで、より深く地域の文化や考えを理解できるのかもしれません。


今回ご紹介いたしますのは、宿泊しながら京都の現代アートに触れることのできる宿泊型アートスペースKYOTO ART HOTEL  kumagusukuの矢津吉隆さんにお話を伺いました。

それでは矢津さん、どうぞ宜しくお願いします!


宿泊型アートスペース


矢津さん:ゲストハウスの特徴は泊まりながら身近にアートに触れられることがコンセプトになります。芸術が好きな方が来られることが多いのですが、普段アートに触れる機会がない方にも、是非宿泊しに来ていただきたいです。


もともと芸大を卒業し、多くの作品を発表している中でふと思ったのは、東京などの美術館に作品を出展していると、どうしても美術関係者やコレクターに向けた作品になりがちになってしまうということです。それだと本当に見て欲しい人たちの目に作品が届かず、作品を作成する際にも本当に見て欲しい人たちを置きざりにしてしまう傾向があります


ところが、ゲストハウスを始めてみると、お客様の生の声を聞けますし、様々な分野の人と交流することによって、展覧会の中では得られないようなアイディアが生まれたりするので、運営する側にも良い刺激となっています。


人とアートの架け橋


手の届く範囲で芸術に触れてもらい、人とアートの架け橋になるようなゲストハウスになれば良いなと思っています。普段じっくり芸術に触れる機会が少ない方にも泊まってもらい、ゆっくりと現代アートに触れていただけるような空間をご用意しています。



私自身は、もともと彫刻科出身で、立体物や平面などの空間と自然の中で感じる事象を使って作品にしていました。絵を描くにしても重力などの、新しい素材やテーマを選び、取り組んでいます。



ゲストハウス自体は、京都市内の至る所で町家を活用した宿が増えているのですが、特に町家にこだわりはありませんでした。倉庫などの空間を使って作品を展示できるスペースを探していたのですが、あまり良い場所が見つからず、その過程の中で、町家の空間を展示スペースとして利用できないかと考えるようになりました。



最初は床も壁もない状態でしたが、時間を掛けてリノベーションを施し、現代美術を堪能できる空間になるよう、ホワイトカラーをベースにした内装に仕上げました。


テーマと共に泊まる宿


ちょうど宿の中庭にあたるスペースに配置した、こちらの椅子も作品の1つです。テーマはサイレントリッスン(Silent Listen)。腰を下ろし、ただぼーっと空を眺めながら、その場所の音を聞いて欲しいという意図があります。大通りから一本中に入っているので、この静けさの中で旅の物思いに耽るのも良いと思います。



二階の宿泊スペースに上がる階段にもテーマがあります。よく見ると、各段に文字が書かれているのがわかると思います。



階段は登るたびに元素から、人間へ、そして天子へと近づくという作品になっています。

作品も、展示をするたびに寄贈してくださるので、どんどん新しいものが増えていきます。



東京に住まれている方なら、芸術に触れる機会は多少あるかもしれませんが、いきなり美術館に行くのは少しハードルが高く感じられるかもしれません。若い人や年配の方にも宿泊することを通じて現代美術に触れて頂きたいです。



*撮影時は 澁谷征司 氏の写真展「A CHILD」2017.9.30-2018.8.19 が開催中。

イベント詳細はHPへhttps://kumagusuku.info/category/events


ゲストハウス滞在時の理想の過ごし方


せっかくですので、現代アートの旅をご紹介したいと思います。京都にはアートに触れられる場所がたくさんあるんです。宿を出発してから、まずは近くの二条城に朝早く行くのもいいと思います。装飾も凝っていて、伝統的で豪華絢爛な襖絵などを、朝の静けさの中で見るのもまた一興ですよ


現代アートを巡る旅

(出典:http://www.kyotodeasobo.com/art/kotoba/uploads/moriyama_gallery1.jpg)

近くには芸大付属のギャラリー@KCUAがあります。様々なアートの展示やワークショップ、講座などのイベントも企画・開催され、芸術を楽しめる場所になっているので、二条城を拝観した後に寄ってみてはいかがでしょうか。


(出典:森林食堂 shinrin-syokudo.com)

お昼時になり、少し腹ごしらえをしたいなと思ったら、森林食堂のカレー屋さんがオススメです。大学時代の友達が開いている店で、今俄かに注目度が増しているジビエのメニューも豊富なので、オススメですよ。



腹ごしらえをした後は、バスで岡崎の方に向かいます。ロームシアターや京都国立近代美術館があり、近くの蔦屋書店でも芸術関連のイベントが開かれていることも多いので、芸術を楽しむにはうってつけの場所です。


(出典:https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mesitsu_la/20150930/20150930191353.jpg)

晩御飯は、烏丸にある「スペースネコ穴」はいかがでしょうか?京都でも3本の指に入るディープさだと思います。こちらも先輩が開いたお店なのですが、この店にはメニューがなく、オーナーのたまちゃんの気まぐれでメニューが決まります。テーブルを囲んで知らない人とご飯を食べるのですが、アットホームさが半端じゃないです。もはやアットホームというレベルじゃないかもしれませんね (笑)


私が思う京都の魅力

京都の魅力はアーティストがたくさん住んでいることだと思います。京都はどうしても歴史や伝統などに目が向けられがちですが、現代美術でも重要な土地となっています。日本でも芸術家の数が1番ですし、美術館の数も多いと思います。芸術家の街になっているんじゃないでしょうか。もともと文化の街として新しいものが京都に入って来ました。昔から絵師などが集まり、伝統工芸などが育まれています。


現代美術の魅力を一言で言うのは難しいですが、普段何気ないことから気づきを与えてくれるところです。例えば、コップ1つでも作品というフィルターを通せば、いつもと違った価値観で捉えられます。そうした気づきを与えてくれる現代美術が多いのも京都の魅力の一つなのではないでしょうか。



最後にゲストハウスの名前でもある”クマグスク”という意味について説明を加えておきます。民俗学者の南方熊楠の「クマグス」と、沖縄の城を意味する「グスク」をかけ合わせています。動物の象徴である「熊」・植物の象徴である「楠」・人の生活が行われる「城」を合わせるように、
クマグスクが新たな人とアートの関係を築いて行くという意味が込められています。芸術はもちろんのこと、少しでもこの空間を気に入ってくれる方がいたら、是非クマグスクに遊びに来てください!



KYOTO ART HOUSE kumagusuku 矢津吉隆さん、ありがとうございました!



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シェアチケットマガジン編集部 「理想の滞在のススメ〜オーナーに聞いてみた、京都の魅力シリーズ」を配信中!!

・京都にある素敵な名店
・観光客が誰も知らない隠れたお寺
・京都の人でもなかなか知らない歴史 などなど

普段生活しているだけでは気づかないことが沢山あります。

その京都の魅力を地域に一番詳しいと言っても過言ではない
ゲストハウスのオーナーさんに教えてもらいます!

もしかしたら、この記事を読めば普段とは違う京都に出会えるかも。

また、ただ宿に泊まるだけじゃもったいない。

一棟貸し宿、ゲストハウスにはオーナーさんの想いが沢山、詰まっています‼︎

宿の特徴、こだわり、どういった風にお客様に喜んでいただけるなど、小さいものだと意識しないと気づかないかもしれません。

宿の想いを知っていただくことで、ゲスト様が
少しでも宿を身近に感じ、安心して、宿泊を楽しんでもらえれば嬉しいです。

そんな宿とゲスト様の距離を近づけれるような記事をご紹介できればと思います。


もし京都のお店や観光などで気になることがありましたら、なんでもご相談ください^^

思い出に残る、素敵な旅をご提供します。

Hikaru Watanabe

#京都 # share ticket # share trip
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