【第8回】理想の滞在のススメ〜京町家コテージkarigane〜

茶文化が根付く街 紫野・紫竹エリア


市内北部の広大な敷地を有する大徳寺。その昔、侘び茶の創始者村田珠光が一休禅師に参禅したことに始まり、以後大徳寺と茶道は切っても切れないほど深い関わりを持つようになりました。そんな茶文化が根付く紫野・紫竹エリアが今回ご紹介する宿の舞台。



もともと茶道の教室が行われていた町家を改修し、昨年一棟貸し宿として新たにオープンしたそうで、今回はその「京町家コテージkarigane」を運営する下岡ご夫妻にお話を聞きました。それでは下岡広志郎さん、下岡莉香さん、よろしくお願いします!


何気ない日常生活が特別な体験に変わる宿


広志郎さん:kariganeは最大5名様まで宿泊できる1日1組限定の一棟貸し宿として昨年オープンしました。もともと、私は公務員で、妻は貿易商社で働いていたのですが、転職を考えたのを機に、同じタイミングで二人とも仕事を辞め、約1年半の世界一周旅行を始めました。世界旅行をしている間は、いわゆるホステル、ゲストハウスと呼ばれる宿を利用することが多く、旅行の最中に段々と宿がやりたいと思い始めるようになりました。



宿の特徴は、京都の日常生活が味わえることだと思います。伝統的な町家の建物を自然素材と伝統工法にこだわって丁寧にリノベーションしたので、元の町家の雰囲気を感じながら、快適な滞在が楽しめるのではないでしょうか。また、前の持ち主の方がこの建物で茶道教室を開いていた経緯もあり、このエリア一帯が昔から茶文化が根付いている歴史もあったので、お客様をお出迎えする際は、お茶でおもてなししたいと思いました。



ここへ宿泊される方は、海外からのお客様も多いので、実際に抹茶をたてているところをお見せすると、感動してくださる方は多いです。せっかく京都という歴史の深い街で、日本の日常生活に触れられる宿をやっているので、日本の文化にも触れていただきたいと思っています。その他にも、宿のご案内も怠りません。日本の美意識はパッと目でみただけではわからない部分も多いので、そういった点も丁寧に説明させていただいてます。



また、建物の歴史や伝統は大切にしていきたいのですが、お客様をおもてなしする上で宿としての快適性も同じくらい大切なので、手を加える必要があるところは運営を始める前にリノベーションしました。ただ、建物の改修の仕方にもこだわり、職人さんに伝統的な工法で手を加えてもらいました。職人さん泣かせなのかもしれませんが、宿運営を通じて、昔ながらの町家を保全していきたいという思いもあり、手を抜くわけにはいきませんでした。



2階寝室の小扉を開けた空間は、元の町家の部分がそのまま残っています。



このスペースには、改築中の様子を収めた写真や土壁の構造がわかる展示などを上記写真のように並べているので、宿なのですが、まるで博物館にいるような感覚も味わえます。



お風呂は妻が一つ一つタイルを貼り合わせてデザインしました。気の遠くなるような作業を繰り返し、やっとの思いで完成させたので、是非ゆっくりとお湯に浸かりながら、タイルの模様を眺めていただきたいです (笑)。


「karigane」滞在時のオススメの過ごし方

(大徳寺龍源院)

莉香さん:宿のすぐそばに大徳寺があるので、まずはそちらへ行くのが良いのではないでしょうか。大徳寺大仙院は日本最古の枯山水で、龍源院は最小の枯山水と言われています。また、瑞峯院は作庭家・重森美玲が手掛けた庭園です。大徳寺だけでも見所はたくさんあるので、茶文化や庭園などに興味がある方は大徳寺だけでもだいぶ満足されるかと思います。


(今宮神社)

また、大徳寺のすぐ近くには今宮神社もあります。今宮神社は玉の輿神社とも呼ばれ、良縁祈願の神社として女性に人気です。玉の輿と呼ばれる所以は、江戸時代、もともと身分の低い西陣の八百屋の娘だったお玉が3代将軍徳川家光に見初められ側室となり、大出世したからと言われています。もともと廃れていた神社がお玉によって復興した神社なので、「玉の輿」と呼ばれるそうです。


蕎麦と料理の店 五-いつつ

さて、少し歩き疲れお腹が空いたら、打ち立ての蕎麦が堪能できる「五-いつつ」さんで昼食はいかがでしょうか。こちらは京都の高級料亭として有名な「和久傳(わくでん)」さんがプロデュースした本格的な蕎麦と料理が堪能できるお店です。お値段もリーズナブルなので、オススメです。


皐蘆庵茶舗

腹ごしらえが済んだら、せっかく京都にいらっしゃったので、茶道教室で抹茶体験を是非楽しんでいただきたいです。日程にもよりますが、皐蘆庵茶舗さんでは喫茶だけでなく、体験教室やイベントも開催されているようなので、ご興味のある方は事前に問い合わせてみると良いと思います。


スターダスト

また、紫野・紫竹エリアには、個性豊かなカフェがたくさんあるので、カフェ巡りをするのも楽しいと思いますよ。カフェ スターダストさんはインスタグラムの写真を見て、海外から足を運ぶお客さんも多いようです。その他にも、カマタ店や、喫茶狐、ドルチェパンダなど、オススメのカフェはたくさんあります。ご宿泊される際は、パンフレットも用意しているので、遠慮せずにご質問ください。


私が思う京都の魅力


広志郎さん:宿のある紫野・紫竹エリアに限って言うと、観光地化しすぎていない、少し地元っぽさが残る雰囲気が魅力的だと思います。また、この周辺は昔からお茶文化が他の地域よりも色濃く残っている場所なので、より京都っぽさを感じていただけるのではないでしょうか。個性豊かな隠れ家的なお店も多く、たまに営業時間が1日のうち数時間だけというお店も見つけたりして、それでも商売成り立つのかと不思議に思うこともあります(笑)。そういう意味では、小さなお店でもやっていける基盤のある街なのかもしれませんね。



京都には職人さん含め、その道のプロがたくさんいて、個人で面白いことをしている人がたくさんいます。なので、何か新しいことを始めたいという方は、京都で始めてみるのも手だと思いますよ。実際、私たちも出身は京都ではないんです。私は奈良出身で妻は大阪出身で、結婚後に京都へ移住して宿事業を始めました。その他にも京都へ移住し、京都で事業をやっている人はたくさんいるので、同じ境遇の仲間もできるのかなと思います。


夫婦二人の今後の夢としては、「karigane」を軸に、もう2,3棟は京都で一棟貸切宿をやりたいなと思っています。現在住む自宅をラウンジにして宿泊者同士の交流が図れるようなスペースにしたいとも思っています。貸切宿だけど、ホストとゲスト、ゲストとゲストが繋がれるような宿運営ができたら面白いですよね。壮大すぎるかもしれませんが、世界中の人が少しずつ関係を築いていくことによって、世界平和に繋がればこれ以上のことはありません。



おもてなし心溢れる素敵な夫婦、下岡広志郎さん、莉香さん、ありがとうございました!




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出身/宮城県 在住地/京都府
株式会社シェアチケット ディレクター。宮城で生まれ育ち、大学から東京へ上京し、海外での滞在を経て、今現在は京都で事業を行なっています。「泊まる〜暮らす」の導線づくりをしています。
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